資格を活かす現場

「必要な方に終活を伝える活動」

終活アドバイザー・1 級ファイナンシャル・プランニング技能士・宅建士
馬渡 初代

静岡県西部に位置するわが町は大企業の本社や工場、関連企業などが多く、雇用が安定した住みやすい地域です。子育て中の若い世代もたくさん居住しています。一方で一人暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯も増加しています。同じ市内に父が一人暮らしをしているのですが、 10 年ほど前に脳梗塞の後遺症で右目の視力を失いました。自分の事は自分でできるのですが、家事支援で週に何度か手伝いに行きます。

 

ボランティアとして介護家族交流会の活動をしています。出席するたびに感じるのは「情報や支援が必要な人に届いていないということ」。会に出席する方は家庭内に要介護者がいるわけで待ったなしの状況です。にもかかわらず介護や医療、終活の情報をほとんど持っていません。介護がはじまると毎日の生活を過ごすことで精一杯です。

 

交流会の目的の一つに「一人で悩まず話してみよう」があります。

毎回話題に上るのは

「夫が亡くなった後も、年金はもらえるのか?」

「介護しながらの家計は苦しい」

「田畑を継ぐ人がいない」

「息子と娘の仲が悪い。夫が亡くなって財産分けになったら必ず揉める…」

 

等々

セミナー写真1

 

誰かに話すとスッキリすることありますよね。でもこの不安は一つ一つに向き合うことで解決します。話すだけは同席者と気持ち共有するだけです。解決にはなりません。終活を学んでいる人ならわかると思いますが、この悩みは終活を進めることで解決できることがほとんどです。

 

昨冬 11 月の交流会のことでした。おばあさんは子どもがいなくて、ご主人と二人暮らしです。要介護状態のご主人に万が一の事が起きたら、これからの生活はどうなるのか?と非常に心配していました。そこで私は簡単な説明をしました。

 

死亡後の手続き、預貯金のこと、ライフラインの名義変更のこと、忘れがちな携帯電話解約のことなど…

 

すると一番興味を持って聞いていたのが、地域包括支援センターの方でした。

 

会の終了後こんなやりとりが

「馬渡さん、色々な事に詳しいですね…」

「はい、終活アドバイザーなので」

「終活アドバイザーの方は、こういった知識もおありですか?」

「はい」

「終活アドバイザーの方は、葬儀やお墓といったことが専門だと思っていました」

 

福祉の現場にいる方でも、終活アドバイザーのイメージはこういった感じなんですね。

 

わたしが終活の知識を持たずに、父の介護をしていたとしたら?交流会に出席しているみなさんと同じ、漠然とした不安を抱えて毎日を過ごしていたはずです。

セミナー写真2

 

このことがきっかけとなり

【公助、共助が必要な方に終活の事を伝えたい】【行政と繋がり、情報弱者の方に必要な情報を伝えなくてはいけない】と実感しました。

今年の3 月のこと、市の広報で、市役所に「終活おうえん窓口」ができることを知り、ボランティアを申し出ましたが、担当者の方からは「人材は足りているので、何かあればこちらか連絡します」という回答のみ…

何回も資料や「ら・し・さノート®」を持参し窓口に足を運びましたが、進展はありません。そのまま時間だけ過ぎていきました。

 

やはり行政の壁は厚い無理だと半ば諦めかけていたとき

終活アドバイザーのオンラインセミナーに出席し、理事の方々に現状を話し、アドバイスをいただきました。そこからは早かったです。(笑)

 

地域包括支援センターの方から社会福祉協議会(以下、「社協」)の方を紹介していただき、社協に、介護家族交流会での様子を伝えるとともに「終活の重要性」と「エンディングノートの使い方」を説明。社協担当者の方がその日の内に町ぐるみのプロジェクトに私を繋いでくれました。

10 月から「人生 100 年時代これからの暮らしを地域全体でよりよくしたい」という趣旨の活動に終活アドバイザーとして協力させていただく運びとなりました。

 

皮肉にもコロナ感染拡大で終活が話題になったことも後押しになったのかもしれません。今までとは違う様式での生活がはじまっています。地域に密着した活動と同時に自主セミナーもこれまでどおり行なっていくつもりです。オンラインを活用したセミナーでは遠方の方ともお会いできます。

 

わたしのセミナーのモットーは「笑う門には福来たる」です。会場は笑い声が響きます。

終活紙芝居写真

わたしの作った【笑って泣いてまた笑う】終活紙芝居が人気です。

 

紙芝居 いろいろ

 

死は誰にも平等に訪れます。どこに住んでいても何歳だとしても、だからこそ「食べる、笑う、休む、働く、振り返る、伝える、つなげる」日々の暮らしの中にこそ終活は必要だということを終活アドバイザーの一人として伝えていきます。