公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その他の収入の所得金額が20万円以下の人は所得税の申告は必要ありません。ただし、公的年金等以外の所得がある場合は住民税の申告は必要になります。
公的年金等から源泉徴収されている所得税や住民税は日本年金機構に届けてある扶養親族数、公的年金から控除されている社会保険料などをもとに計算されています。それ以外に支払った社会保険料がある場合や、生命保険料控除、医療費控除等を受ける場合は確定申告をすると源泉徴収された所得税や住民税が戻ってくることがあります。

医療や介護の保険料の決まり方は、加入している種類によって異なります。

①公的医療保険には大きく分けて、会社員等が加入する「健康保険」、健康保険に入れない人などが加入する「国民健康保険」、75歳以上及び65歳以上の一定の障がいのある方が加入する「後期高齢者医療制度」があり、年齢や就業状況によって加入できる制度は異なります。
・健康保険の保険料…本人の標準報酬月額(4月~6月の給料の平均)をもとに計算されます。計算された保険料を会社と本人が折半して負担します。
・国民健康保険の保険料…世帯ごとに、前年の1月~12月の合計所得金額、加入者数、年齢などをもとに計算されます。所得に応じた所得割と、世帯や加入者が均等に負担する均等割の合計になります。
・後期高齢者医療制度の保険料…保険料は所得割と均等割で計算されます。

②介護保険の被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と40歳~64歳までの「第2号被保険者」に分けられ、保険料の決まり方や徴収方法が異なります。
・第1号被保険者の保険料…本人や世帯の所得で決まります。料率は住んでいる市町村によって異なります。
・第2号被保険者の保険料…所得に応じた保険料となります。加入している公的医療保険の保険料と一緒に徴収されます。

医療費控除は、所得税や住民税の確定申告を行うことで受けられます(ただし、所得税の確定申告をする場合は住民税の確定申告は不要)。
1月から12月までに支払った医療費の合計額が10万円以上(または、所得の5%のどちらか低い方)だった場合には、確定申告をすることによって税金が少なくなります。
医療費控除できる金額は、「医療費の負担額―民間医療保険からの補てん額-10万円(または所得の5%のどちらか低い方)」です。
この金額にその人の所得税率をかけると、還付される税金額を試算できます。
医療費控除の対象になるものとならないものがありますので、注意が必要です。

参考:「医療費を支払ったとき(医療費控除)/国税庁HP」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

老後の年金の受け取り開始は、原則として65歳からです。ただし、老齢厚生年金の場合は性別や生年月日によって異なります。具体的には、男子で昭和36年4月1日以前生まれ、女子で昭和4年4月1日以前生まれの人は、特別支給の老齢厚生年金を、生年月日によって60歳、61歳、62歳、63歳、64歳から受け取れます。なお、公務員など共済組合の年金に加入していた女子は、男子と同じ受給開始年齢になります。
詳しくは、日本年金機構のHPで確認願います。「特別支給の老齢厚生年金」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-02.html#cms01

老齢基礎年金および老齢厚生年金の受け取り開始年齢は原則65歳からですが、65歳よりも早く年金を受け取ることを年金の繰上げといい、一番早くて60歳から受け取ることができます。ただし、早く受け取れるというメリットがありますが、受け取る年金額が少なくなるなど、いくつものデメリットがあります。
年金を繰り上げた場合、1ヵ月当たり0.5%年金額が少なくなりますので、最大5年間繰り上げると年金額が30%も少なくなります(2022年4月からは減額率が変わります)。少なくなった年金を一生受け取ることになってしまうのが最大のデメリットです。
また、老齢厚生年金を繰り上げる人は、同時に老齢基礎年金も繰り上げることになります。
詳しくは、日本年金機構のHPで確認願います。「繰上げ請求の注意点」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-03.html

老齢基礎年金および老齢厚生年金の受け取り開始年齢は原則65歳からですが、66歳以後に年金を受け取ることを年金の繰下げといい、最大5年遅らせて受け取ることができます。年金の繰上げの場合は年金額が少なくなりますが、繰下げの場合は1ヵ月当たり0.7%年金額が増えるというメリットがあります。そのため5年間遅らせて70歳から受け取ると最大42%年金額が増えることになります。
一方、老齢厚生年金を繰り下げることによって年金額が増えた場合でも、その人が亡くなったことによる遺族厚生年金の額は、繰下げで増額される前の額の4分の3のままであるとか、65歳以降、年金を受け取らずに繰下げを待機している間に配偶者が亡くなって遺族年金の権利ができると、その時点で年金繰下げの増額率が確定してしまうなど、繰下げには注意点がたくさんあります。
なお、繰下げの場合は、繰上げと違い、老齢基礎年金だけ、あるいは老齢厚生年金だけという選択もできます。
詳しくは、日本年金機構のHPで確認してください。
「老齢厚生年金の繰下げ受給」
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-05.html

いずれも、2022年4月1日から改正されます。
年金の繰上げは、2022年4月1日以降に60歳になる1962年4月2日以降生まれの人に適用され、1ヵ月当たりの減額率が0.4%となりますので、最大の減額率は24%に緩和されます。
一方、年金の繰下げは、2022年4月1日以降に70歳になる人(原則として1952年4月2日以降生まれの人)に適用されます。改正後は、年金額が増額される繰下げ開始年齢が、75歳まで延長されます。1ヵ月当たりの増額率0.7%は変わりませんが、待機期間が長くなりますので最大の増額率は84%になります。
なお、年金を受け取らないで繰下げの待機中に亡くなった場合の取り扱いが、5年間という過去分の年金請求の時効との関係で複雑になりますので、繰下げをお考えの方は慎重に判断しましょう。

03-6264-4655

平日10時~12時 13時~16時