資格を活かす現場

「成年後見で役立つ終活の知識」

特定社会保険労務士・終活アドバイザー
飯島 守

終活とは、高齢者が人生の終末期を迎えるにあたって行なっておくべき諸活動の総称です。その基本は「自分でできることは自分でやっておく。できないことは、そのことを人に託す」ことでありますが「自分ではどのような終活をしたら良いかわからない」という人もいます。

そういう人には適切なアドバイスをする人が必要です。しかしながら、終活の内容は各人により異なり、かつ多岐にわたっており適切なアドバイスをするには、各分野の幅広い知識を求められます。

これまでは各分野を個別に学んでおり、終活に関して横断して知識の習得する機会がありませんでしたが、これらをまとめて学ぶことができるものとして、終活アドバイザー資格を取得できる講座ができました。私もこの講座で改めて学びました。

終活の基本は「できることは自分でやる」ことですが、近年の社会構造の変化により、自分だけでは日常生活(含む終活)ができない高齢者(以後本人という)が増加しています。すなわち、本人自ら終活のできない方々の増加です。

その人をサポートする制度として、成年後見制度があります。この制度は「なんらかの理由により、判断能力が低下して日常生活が円滑にできない人」をサポートするものです。その人をサポートする人を総称して成年後見人等(以後後見人という)といいます。そして、後見人はいつまで本人をサポートするかといえば、本人が死亡するまでであり、まさに終活そのものといえるでしょう。

後見人のサポートのスタートは、本人の判断能力の低下の程度(補助・保佐・後見)により異なります。補助、保佐では本人の意思を尊重したアドバイスを行いますが、具体的な行動をする人は本人です。しかし、後見になりますとアドバイスというよりも、本人の代わりに後見人が行うことが多くなり、サポートする内容も多種多様になってきます。

後見人になっている人は、親族または成年後見に関する知識を有している専門職後見人ですが、後見においては日常生活におけるさまざまな問題にも対応することになりますので、広い分野での知識が必要とされます。しかし、必ずしも全ての事がらに熟知しているとは限りません。人生後半期に必要な知識やアドバイスポイントを網羅している終活アドバイザー講座は、後見人の業務遂行にあたって大変参考になります。

例えば、一般的になじみの少ない本人の死亡に関しては、親族後見人は死亡後には相続人の立場で死後のことを行いますが、専門職後見人は死亡後のことは原則として相続人に引き継ぎます。しかし親族がいない場合などには、死後の事務に関与する場合もあるかもしれません。このような死後の手続等についても、終活アドバイザー講座で学ぶことができます。

また本講座では、後見人の主目的である、財産管理に関すること、身上かん護に関することのかなりの分野をカバーしています。年金の知識があれば未請求の年金を発見できますし、介護保険の知識は居宅サポート(ディサービス、訪問介護等)および、その後の入所施設(老人保健施設・特別養護老人ホーム)探しに役立ちます。このように、終活アドバイザーが得ることのできる知識によって、本人へのよりよい終活サポートが可能になりますので、ぜひ受講をおすすめします。

しかし、本講座だけではカバーできない専門的な問題もありますので、資格取得後もさらに深い知識を学んでいく必要があることはいうまでもありません。現在、後見人をしている人だけでなく、後見人に興味のある人にも本講座の受講をおすすめします。

error: 本サイトのコンテンツは保護されています